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2025/03/02

3/2巻頭言「弔辞―山﨑克明先生を偲ぶ」最終回

 山崎先生は優しい方だった。関西訛りの語りは印象的で柔らかい。そんな山崎先生が時に会議で、あるいは住民反対運動の現実に厳しく憤りを表される場面があった。山崎先生には「神の国」を見る優しいまなざしと共に「神の義」に対する誠実さがあったと思う。「対抗的相補性」。「神の国と神の義」。山崎先生が残してくださったこれらの事を心に刻み、これからも歩んでゆきたい。
 個人的に私は随分と可愛がっていただいたと思う。何よりも時々に励まし褒めて下さった。単純な私は褒められることで歩みを続けられた。住民反対運動など萎えるような現実に向き合う時、先生の支えが常にあったことを思い出す。心から感謝したいと思う。抱樸の37年は、山崎先生はじめ多くに人に支えられ、多くの人に褒めてもらい、そして時には厳しい指摘をいただきながらの日々だった。
 だから、さびしい。たまらなくさびしい。もっと一緒に仕事をさせていただきたかったと思う。今年の年賀状は来なかった。その前から具合が良くないことは聞いていた。北九州市や福岡県の協議会の代表も交代されると聞いていた。「お具合いかがですか。今度お訪ねしたいと思います」と年賀状に書かせていただいたが、それも叶わぬままお別れとなった。
 抱樸は、山崎先生が目指したパートナーシップに基づくまちづくりに向かう。「希望のまち」である。折しも先週、何とか着工にこぎ着けた。先生には完成したまちを見ていただきたかった。希望のまちで一緒にお茶でもしたかった。残念。
 いずれ私も先生の所に行く。もうしばらくはやり残したこともあるので行けない。ずいぶん借金もしたし、それのけりもつけねばならない。いずれ逝く日に間に合うように楽しい土産話をたくさん創ろうと思う。それまでそちらで待っていてください。山崎先生。本当にありがとうございました。では、また。
おわり

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