玄関の軒には、だれもがくつろぐことができるベンチがあります。これは旧礼拝堂のベンチでした。先達から継承された信仰を引き継ぎ、新たな歩みを始めます。

玄関横に定礎石があります。「幸福（さいわい）なるかな、貧しき者よ」（ルカによる福音書6章）とのみ言葉が刻まれています。東八幡キリスト教会の歩みの中で証しされた神の真実です。地元の書家である栗原光峰先生が書いてくださいました。

建物の中心は礼拝堂です。礼拝堂を囲むように軒が広がっています。「軒の教会」の真骨頂は玄関前の軒から続く長さ20メートル以上の大軒です。大軒の先には、大きな窓があり四季折々の緑が楽しめます。

礼拝堂後方の折れ戸を全開すると大軒、ホールへとつながる大きな空間が生まれます。最大300名が利用できます。礼拝においてみことば（神のことば）をいただき、その後、ホールにて共に食事をいただく。「神のことば」と「パン」が繋がって一つとなります。

礼拝堂は、天井の高さ8メートルの正方形の空間となっています。四方には天窓があり、光が時間と共に様子を変えながら降り注ぎます。礼拝堂及び建物全体は段差のないフラットな構造です。

キリスト者として生きることを決意した人は、バプテスマ（一般には洗礼と呼ばれる）を受けます。キリストは、神であることに固守せず人間の姿になられ、低みに下られました。キリスト者になることは、高みに上るのではなく、低みに下ることを意味します。よって、礼拝堂のバプテストリーは、最も低い場所に設置しました。

水は、床面いっぱいまで溜められ、床と水面が一直線につながり、大変美しい光景となります。バプテスマを受ける方と牧師がバプテストリーに入ると同時に水があふれます。恵みがあふれるイメージです。あふれた水は、周囲の「すのこ」部分に吸収され、水の流れ落ちる音が会堂全体に広がります。

記念室は礼拝堂とつながっています。生者と死者の主であるイエス・キリストの元で召された神の家族を覚えつつ礼拝をします。これまで東八幡キリスト教会は、残念ながら家族の引き取りの無かった方々の遺骨を引き受けてきました。今回の記念室には、誰でも入れる場所が確保されています。

教会内にシェルターを設置しました。これまでも東八幡キリスト教会は、困窮状態の方々を引き受けて参りました。6名分の布団がひける広さの部屋となっています。

シャワー室、洗濯室などを準備しています。マタイによる福音書25章において「わたしの兄弟であるこれらの最も小さい者のひとりにしたのは、すなわち、わたしにしたのである」とイエスは語られています。東八幡キリスト教会は、この最も小さき兄弟の場所を提供できる教会になります。

玄関の軒下のベンチと同様、庭に点在する大谷石も旧礼拝堂の壁に使われていたものです。先達から継承された信仰を引き継ぎ、新たな歩みを始めます。