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2024/09/08

9/8巻頭言「君の居場所―希望のまち」

 9月3日東京厚生労働省記者クラブにおいて「希望のまちを諦めない!緊急クラウドファンディング」に関する記者会見を行った。会場参加とオンライン参加を合わせると50名ほどの記者が集ってくださった。これから12月2日まで一億円を目標にクラウドファンディングが行われる。
 2019年秋、コロナパンデミックが半年後に起こることなど全く知らなかった私たちは「希望のまち」プロジェクトをスタートさせた。特定危険指定暴力団の本部事務所が解体撤去されたと報道で知り、直ぐに北九州市と跡地活用について相談し、引き受けることを決めた。お金はない。地元金融機関より一億三千万円をおかりした。冒険の始まりだった。
 しかし、その後市民から寄付などが寄せられ、借入金は二年後に完済できた。抱樸への応援と共に長く暴力団に苦しめられてきた市民の思いが募ったと思う。
暴力団の存在は、市民生活や経済活動に多大な影響を及ぼしていた。長年にわたる暴力団の暗躍で「怖いまち」と言われることが多かった北九州市を「希望のまち」へと変える。そんな目的を掲げこのプロジェクトは始まった。
 裁判で幹部の被告が「普通の人にはわからないでしょうが、私もそうでしたが、そういう組織でしか生きられない人もいると思います」と証言し、工藤会の解散は考えていないと語った。本当にそうか。百歩譲ってそういう面があったのかも知れない。だからと言って「そういう組織―暴力団」が必要だとは言えない。「俺たちが行き場のない子どもを引き受けた」と言いたいのだろうが、結果「利用した」で終わっていないか。そもそも居場所のない子どもが身を寄せる先が「そういう組織」しかないことが問題なのだ。答えは単純だ。「そういう組織」ではない受け皿をたくさん創ればいい。子どもたちを「犯罪者」にするのではなく「幸せ者」にする場所を。それに挑戦する意義は大きい。
 行き場がない若者は「希望のまち」に来ればいい。そこで一緒に悩み、一緒に考えるのだ。笑い、泣き、喧嘩するのだ。「親分、子分」ではない「家族のようなまち」を創るのだ。事務所撤去、逮捕、組織活動の封じ込め。それらは暴力団壊滅への手立てだと思う。しかし、それだけでは十分ではない。「わたしがわたしとして、あなたがあなたとして生きることができる」。北九州市がそんなまちになることが暴力団問題の最終解決となる。
 特定危険指定暴力団の問題は北九州市に限ったことだが「居場所のない子どもたち」は全国にいる。「東横キッズ」「グリ下」など、居場所を求める若者たちの叫びが聞こえる。地元のNPOが日々素晴らしい活動を展開されているが、その陰で暴力団が暗躍し、彼らを食い物にする大人がいる。危険だと知りつつも、そんな大人たちに身を寄せざるを得ない子どもたちがいる。「そんなところに行かなくても君の居場所はここにある」と言える場所を全国に増やそう。「希望のまち」はその一つとなる。私は二度と暴力団に若者を渡したくはない。だから私は必ず「希望のまち」を創る。

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